
2022年4月1日(米国時間)、スペースXのTransporter-4ミッションにて、稲波(当時:船井総研所属)が支援したスペースNTK社の金属箱が無事打ち上げられました。
このプロジェクトは、従来の打ち上げの常識を覆し、開発に係る大幅なコスト削減を実現し、イラストを刻印した金属箱を宇宙へ送り出すという革新的な成果につながりました。
▶︎ 打ち上げ映像はこちら(SpaceX公式配信):



Transporter-4とは
Transporter-4 は、スペースXの提供する SmallSat Rideshare Program(小型衛星相乗り打ち上げプログラム) の一環で、専用の打ち上げミッションとして運用されました。複数の小型衛星を一度に搭載し、各社が打ち上げコストを分担することで、従来よりも格段に低コストで宇宙へのアクセスを可能にする仕組みです。今回のミッションには 合計40機の衛星 が搭載され、SSO(太陽同期軌道)への投入とともに、スペースNTK社の想いのつまった金属箱が軌道に投入されました。
主な特徴は以下の通りです:
多様なペイロード構成:キューブサット、マイクロサット、ピコサット、ホステッド・ペイロード、軌道移送船など多彩な衛星が搭載
最大ペイロード性能:LEO(低軌道)へ最大22,800 kgまで搭載可能
打ち上げ場所:フロリダ州ケープカナベラルの SLC‑40 発射台より打ち上げ
成功率と再利用:使用されたブースター B1061 は7回目のフライトで、打ち上げ後は海上ドローンシップ「Just Read the Instructions」へ着陸
衛星業界の常識を打ち破るアプローチ
ご相談をいただいた当初、既存の衛星業界の枠組みに基づく見積もりは非常に高額でした。
その理由は、数多くの電子機器や要件が「当然必要」と盛り込まれていたためです。
稲波は顧客の要望を丁寧にヒアリングしながら、**「本当に必要な要素」と「不要なもの」**を一つずつ紐解いていきました。
その結果、電子機器を搭載せず、言わば「ただの1つの金属箱」としてシンプルな構造にすることで、開発費を大幅に削減することに成功しました。
さらに、打ち上げコスト削減にも工夫を凝らしました。
衛星を極力軽量化
余分な重量枠を複数社とシェア
これにより、打ち上げ費用は当初の約3分の2に抑えられました。
過酷なプロジェクトマネジメント
プロジェクト進行中は、資金調達、マーケティング、衛星開発、打ち上げ企業の調整、スペースXとの交渉などを同時並行で推進。
時には深夜24時を過ぎてから打ち合わせが始まることもあり、連日の過密スケジュールが続きました。
しかし、関係者全員の努力と工夫の積み重ねにより、無事にTransporter-4からの打ち上げを成功させることができました。
成果とその意義
このプロジェクトは、
イラスト入り金属箱を作成し、コスト削減と効率化を実現し、顧客の理念を形にする宇宙利用を実現しました。スペースNTK社の搭載物を良く見える位置でファルコン9に搭載した写真をスペースXが撮影しています。
また、この成功体験は、Astraportaが現在推進している月面データ輸送事業や次世代の宇宙利用支援サービスの礎となっています。
月面データ輸送
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